催眠による健康法 本文へジャンプ
催眠とは
●そもそも催眠とは
 催眠療法を語る前に、そもそも催眠とは何かを語らなければなりません。何故ならば、TV等マスコミの影響で催眠に対する根強い誤解と偏見があるからです。催眠とは特殊な心理状態であり、科学的に立証された学問分野でもありますが、研究者たちが説明を怠ったのと、マスコミが面白おかしく表現したことにより“怪しいもの、怖くて近寄りがたいもの”との認識が広まったものと考えられます。
 
 催眠状態を簡単に説明すると、「意志的行動に対する要求が欠如した状態」ということが出来ます。
つまり、ある行動に対する能力はあるが、行動しようとする意欲が無い状態ということです。初めて催眠を体験した人が覚醒後に大抵「私は催眠にはかからなかった、ずーと意識はあったし、指示された暗示も抵抗しようと思えば出来たが面倒だからそのまま従っただけだ」と言います。実はこのことが催眠の実態を説明できる良い例なのです。ですが傍観者から見るとまるで心を奪われ、操られているように見えるので、このことが誤解を生むものと思われます。

 心理学の視点で言うと、“選択的注意の集中”という状態です。変成意識状態(催眠トランスともいう)により被暗示性が著しく亢進し、運動、知覚、思考が暗示によりコントロールされやすくなります。
したがってよく言われるように“睡眠”に近い状態、朦朧(もうろう)とした状態とは全く違います。
決定的な違いは、眠っている人や睡眠薬で朦朧としている人は脳の喚起水準が大きく低下し他者とコミュニケーションが取れないが、被催眠者は若干の喚起水準の低下はあるものの意識はしっかりしていて、催眠誘導者としっかりコミュニケーションが取れていて暗示に反応できるという点です。

 催眠中は意識が無くなり、施術者に勝手にコントロールされるという思いは大きな誤解であることをわかっていただけたでしょうか。
 
 催眠時には被暗示性が高まるということはご理解頂けたかと思うが、では「何故そうなるのか?」についてです。日常の習慣化された行動はそのほとんどが潜在意識と呼ばれる脳の部位で実行されます。
つまりほとんどの行動は身の安全がわかっているので無意識で行っているということです。この割合は90%以上といわれています。
それに対し、新規の出来事には危険が付きまとうリスクがあるので、大脳前頭前野の大脳新皮質46野(ブロードマンの脳地図)という部分で個別に判断します。日常行動におけるこの割合は3~10%と言われています。大脳新皮質46野は自分の理性の力を制御するとろで、その制御する物質は「ノルアドレナリン」です。副交感神経優位の状態、つまりリラックス状態で選択的注意の集中が起こるとノルアドレナリンが分泌されなくなり、大脳新皮質46野は判断力が低下するのです。それにより例えば「手が上がる」という暗示は46野を素通りし、小脳に届き、運動神経が働き、手が上がるのです。小脳は潜在意識の働きに属していて判断力を持たないからです。催眠は判断力のない潜在意識に直接アクセス出来るから被暗示性が高くなるということなのです。

催眠療法とは
 
 潜在意識には、アメーバーから現生人類に至るまでの間に獲得した“安全に生きるための知識等の記憶 ”にプラスして、個人の誕生から今日に至るまでの膨大な記憶がぎっしりと詰まっています。その記憶は時間軸に対応して階層化されています。記憶にはレベルがあるということです。つまりカエルであったころの記憶と本人の5年前の記憶は全く違う階層に記憶されているのです。生後の記憶であっても、言葉を習得する以前と言葉を覚えてからの記憶では全く違うレベルにあるのです。催眠療法において潜在意識にアクセスするとき、治療目的によってアクセスする場所のレベルが異なり、そのレベルに応じて“暗示文”も“催眠深度”も変えなくてはならないのです。これは系統的な心理学の知識がなければ出来ないことであり、数日の講習で取得できる米国某団体の資格など治療においては何の役にも立たないことを予備知識として知っていただきたいのです。


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