催眠による健康法 本文へジャンプ
誘導テクニックと催眠ストーリーの構成

 誘導の際、催眠者の暗示に対し、言われた通りの反応が速やかに起こり、短時間で催眠状態に持っていきたいものです。このとき、ちょっとしたテクニックを使うか使わないかで、ずいぶんと差がついたりします。
 その一つに反作用があります。これは観念運動で、ある方向に体の動きを引き出そうとするときに、催眠者のほうでわざと反対方向に動かしてやるというものです。
 たとえば、指の開閉法で「私が、『はい』と言ったら、人差し指が中に引かれてきます」と言って、「はい」と合図します。そのとき、「はい」というのと同時に、指を軽く外側にはじいてやると、スムーズに反応が起こり、動きが速くなるのです。
 これは、いろいろな誘導法で使えるテクニックです。ただし、極端に大きく動かしたり、強引に力を加えたりしてはいけません。また、「はい」と言った瞬間に、すぐに自分の手を離さないと逆効果になります。
 さらにトリックも役に立つテクニックのつです。わかりやすい例として、腕の上昇と下降で使われているトリックがあります,
1私が『はい』と,言ったら、右手が上がり、左手が下がります」と予告
したあとに、右予の位置を左手よりも少し高くしておきます。最初から差をつけておくわけです。被催眠者のほうは目を閉じているので、ちょっとぐらいの差だったら気づかないものです。
 立位後倒法では、被催眠者に目を閉じて両足を爪先まで揃えて立ってもらいます。さらに頭を斜め後ろに反らすことで、非常に不安定な姿勢になります。こうして立っているのが難しい状態にして、倒れやすくするのです。これもトリックです。
 また、誘導を行なっていて、予想外の反応が出てくることがあります。たとえば、振り子法の最中に、被催眠者の瞼がトローンとしてきて閉じそうになることがあります。そうなったら、これを利用しない手はありません。
 「瞼が重たくなってきました。そのまま瞼が閉じてしまいます」と閉眼させ、さらに「5円玉を持っている手も重たくなって、5円玉ごと下に落としてしまいます」と続けます。
 意図したこととは別の反応が起こったとき、催眠者のほうでそうした暗示をしたように思わせてしまえばいいのです。 被催眠者のほうで白然に出てきた:反応も、逆にそれを利用することで被暗示性はグーンと高まります。
 使えるものは何でも使ったほうがいいのです。
 椅子に'座った姿勢で重感暗示法を行っていると、自然と被催眠者の体が揺れだすことがあります。このときも、すかさずそれを利用します。
 「何となく体が揺れてきます。ユラユラします、右や左、前や後ろ、あるいは斜めに動きます。どんどん揺れていきます……」というふうに、リードしていきます。
 誘導法には観念運動のように体の動きを伴うものと、全身脱力法のように、静止したままで行なうものと、二通りあります。前者の中でも左右運動、前後運動や本能運動など、大きな動きのある技法を収り入れて、一つの催眠ストリーを紺み立てる場合、その催眠法のことを動的催眠と言います。それに対して、動きのない静的な誘導法だけで構成する場合を、静的催眠といます。
 動的催眠と静的催眠のどちらを便'かは、目的によって違ってきます。
深いリラクゼーションや、ストレス解消法を狙うときは、動的催眠のほうが断然効果的です。逆に分析的な治療をを行なうときのように、催眠中に被催眠者に話をしてもらう場合は、静的催眠が向いています。静的催眠では、リクライニングチェァを使って楽な姿勢で行なうことが大切です。
 被催眠者の中には、動的催眠にはほとんど反応しないという人もいます。その場合は、静的催眠で通すしかありません。でも体を動かしたほうが、深い催眠状態に入りやすくなるのも確かです。誘導前に、一緒に体操や気功などを行なって、体をほぐしておくのも一つの方法です。
 各誘導法や深化法の組合せは、いく通りも考えられます。本能運動は、被催眠者が催眠初体験の人ならば、左右運動、前後運動に続けて行ないます。2回め以降の人で反応のよい人ならば、先に本能運動から始めることも可能です。
 立位後倒法で、床に倒したあとにもう一度立たせ、すぐさま倒すというように、後倒法を繰り返す方法もあります。また、催眠と覚醒をf可回も繰り返す方法もあり、これを揺さぶり法と言います。揺さぶり法を使うと、非常によく深化するので、と
ても有効な方法です。
 このように、催眠ストーリーの構成はいくらでもあるのですが、同じ人を相手に何回か催眠をかける場合、パターンを変えることが必要です。
同じパターンを使うのは、安心感があるので被暗示性も高まるものなのですが、毎回、毎回同じだと、逆に意識が働いてしまい、かえって被暗示性も低くなってしまいます。


独学で学ぶ心理学健康法

メニューから見たい項目をクリックしてネ・

イベント告知
クラブ規約



   
copyright©2018 Hypnotherapy in Niigata all rights reserved.