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-はじめに-
このページは認定心理士である私、古田島が過去に学んだことをおさらいするため、および自分の趣味としての心理学研究のモチベーションを高めるための私的なページですが、どなたが読まれても手に取るようにわかるように心がけようと思っています。きっと何かのヒントを提供できるでしょう。よろしくお願いします。
<m(__)m>

ウィキペディアでは心理学についてこのように書かれています。

心理学(しんりがく、英: psychology)とは、心と行動の学問であり、科学的な手法によって研究される。そのアプローチとしては、行動主義のように行動や認知を客観的に観察しようとするものと、一方で、主観的な内面的な経験を理論的な基礎におくものとがある。研究法を質的研究と量的研究とに大別した場合、後者を主に学ぶ大学では、理数系として心理学を位置付けている例がある。

起源は哲学をルーツに置かれるが、近代の心理学としては、ドイツのヴィルヘルム・ヴントが「実験心理学の父」と呼ばれ、アメリカのウィリアム・ジェームズも「心理学の父」と呼ばれることもある。心理学の主な流れは、実験心理学の創設、精神分析学、行動主義心理学、人間性心理学、認知心理学、社会心理学、発達心理学である。また差異心理学は人格や知能、性などを統計的に研究する。

20世紀初頭には、無意識と幼児期の発達に関心を向けた精神分析学、学習理論をもとに行動へと関心を向けた行動主義心理学とが大きな勢力であったが、1950年代には行動主義は批判され認知革命がおこり、21世紀初頭において、認知的な心的過程に関心を向けた認知心理学が支配的な位置を占める。
 難しい表現で書かれていますが、ひと言でいえば「目に見える行動」とそこから推論される「心の動き」を科学的に研究する学問であり、個人の認知の過程を重視するようになってきたということでしょうか。

 私(わたくし)流に表現させてもらえば、心理学は「人間とはいったい何物か」を科学的に研究していくことを目的としていると思います。ですから人間に関するすべての分野で心理学が研究されているということです。大きく分ければ、心理の一般法則を研究する「基礎心理学」と、そこで得た知識と法則を実際の各分野で役立てることを目的とする「応用心理学」に分けられます。それではどのような分野があるのかというと概ね下記のとおりです。


〇実験心理学
 実験心理学(じっけんしんりがく、英語:experimental psychology)は、自然科学の一領域としての心理学の方法であり、実験的手法により心の理解を目指す。研究対象ではなく、研究手法に基づいた分類です。そのため、実験心理学が扱う研究対象は多岐に渡ります。一般には知覚心理学、認知心理学、比較心理学、実験的行動分析や、生理心理学および発達心理学の一側面を含んでます。
 20世紀の後半には、心理学分野の拡大や副次的な方法論の増加により、"実験心理学"という語の意味は変化することになりました。実験心理学者は多くの手法を用いるようになり、厳密に実験的な手法以外の方法も用いるようになりました。このことの原因のひとつは、科学哲学の発展が実験的手法の絶対的な地位に影響したことがあげられます。その一方で実験的手法は、発達心理学や社会心理学など、従来は実験心理学の分野ではなかった領域においても用いられるようになっています。今日、実験心理学という語は、洗練され名声のある学会や学術雑誌、大学における心理学専攻の名前などに用いられ続けています。
〇認知心理学
 認知心理学(にんちしんりがく、英: cognitive psychology)は、情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問です。20世紀前半のゲシュタルト心理学やバートレット、ピアジェ、ヴィゴツキーらの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時にハル、トールマンらの新行動主義心理学の発展形と見ることも出来ます。20世紀最後の四半世紀以来、現代心理学の主流の座にあると言えます。

 認知心理学の研究対象は、知覚・理解・記憶・思考・学習・推論・問題解決など人間の高次認知機能を研究対象とし、脳科学、神経科学、神経心理学、情報科学、言語学、人工知能、計算機科学などとの関わりあいの中で認知科学と呼ばれる事もあります。この場合は心理学の手法に留まらず、認知心理学による研究成果に広く基づき、コンピュータの処理モデルを構築する事やそれを用いて人の認知モデルを再検証する事等も含みます。最近では、意識や感情、感性といった問題にも取り組むようになってきています。

 認知心理学が盛んになる以前は、刺激-反応(S-R)という図式による行動主義や、それを発展させた(S-O-R)図式の新行動主義が全盛だったが、コンピュータの発展に伴い情報科学が盛んになり、その情報科学の考え方が心理学に取り入れられ、認知心理学という分野が成立しました。1967年にナイサーが「認知心理学」という題名の本を出版してから、この言葉が一般的になったのです。認知心理学と新行動主義は近く、重点の置き方に違いはあっても理論的齟齬はありません。
〇発達心理学
 発達心理学(はったつしんりがく、英: developmental psychology)は、人の加齢に伴う発達的変化を研究する心理学の一分野です。
 かつては、子どもが大人になるまでの過程が発達であると考えられていたが、現在では老年期までも含め、人は生涯を通して変化・成長を続けるものと捉えられるようになったため、発達心理学の研究対象も、加齢による人の一生涯の変化過程となりました。エリク・H・エリクソンによる発達段階が有名です。
 研究領域は、各発達段階での心的、社会的、身体的な発達とそのための条件、また発達を阻害する要因や発達障害などが含まれます。
 発達段階ごとに区分された幼児心理学、児童心理学、青年心理学、老年心理学などは発達心理学の下位領域と見なされます。近年、これらに加えて、胎児期や壮年期の研究も増えています。
〇教育心理学
 教育心理学(きょういくしんりがく、英語:educational psychology)は、教育的な視点から心理学を応用しようとする学問です。
 教育心理学においては、主に乳児期から青年期にかけての人間の精神および知能の発達や人格形成などと教育の関係を取り上げます。また、教育過程の諸現象を心理学的に明らかにし、効果的な教育の方法を見つけ出そうとすます。さらに、教育の場面に現れる問題を一般心理学の見地から解釈し、実際の教育に応用しようとします。
 主なテーマとしては、成長・発達・学習・人格・適応・評価・学級・教師と児童の関係・教化の心理・特殊児童の心理などがあります。発達心理学につながる部分も多いです。
 日本における教育心理学の研究の歴史は古く、学会として日本教育心理学会があり、学術雑誌『教育心理学研究』を発行しています。
※面倒なのでこれ以降、敬語を省略します。 <m(__)m>  
〇性格心理学
 個人のパーソナリティの特質やその構成要因を研究する心理学の一分野。
人格心理学ともいう。この分野では、性格とパーソナリティ(人格)はほぼ同義とみなされることが多い。
 パーソナリティを理解・記述するための枠組みとして、「類型論」や「特性論」などがある。
 「類型論」は、多様なパーソナリティを少数の基本的な型に分類する考え方である。心理学者ユングは人の性格を外向型と内向型の2つに分けた。外向型は外界に関心をもち、社交的かつ陽気で柔軟に行動できる。その反面、しばしば思慮と計画性に乏しい。内向型は自分の内面に重きをおく。非社交的で融通性は乏しいが、思慮深く辛抱強い傾向がある。
 「特性論」は、各個人がパーソナリティの基本的な構成要素となる特性をすべて備えているという見地に立つ。その上で、個人のもつ「情緒安定性─情緒不安定性」や「協調性─非協調性」といった諸特性の比率を、統計的手法によって明らかにしようとする。 ほかにも、性格を個人が形成する習慣の集まりとみなす「学習理論」や、パーソナリティと環境との相互作用に着目する「場の理論」などがある。
〇臨床心理学
 
臨床心理学(りんしょうしんりがく、英: clinical psychology)とは、精神障害や心身症、心理的な問題や不適応行動などの援助、回復、予防、その研究を目的とする心理学の一分野である。
 心理学には、全般的な人間心理に焦点をあてる基礎心理学と、特定の人間心理に焦点をあてる応用心理学があり、この後者に分類される。臨床の文字通り、医療の対象となる可能性のある人々への心理学的援助を目的とした一学問分野である  また、一方でそうした問題がなくとも精神的健康の保持・増進・教育を目的とした予防医学的な関わりをもつことも目的のひとつとしている。
 心理検査、心理面接、地域援助、調査研究の4種領域に大別される。取り扱う題材は精神医学、精神病理学との関わりが深い。研究者を臨床心理学者と呼び、その知識の実践者を心理臨床家、臨床家と呼ぶ。
〇犯罪心理学
 犯罪心理学(はんざいしんりがく、英語:criminal psychology)は、犯罪事象を生ぜしめる犯罪者の特性や環境要因の解明を通して、犯罪予防や犯罪捜査、また犯罪者の更生に寄与することを目的とした心理学の一分野。応用心理学のひとつに分類される。
 犯罪心理学の研究領域は、犯罪精神医学、犯罪社会学、刑事政策などと重なる部分も多い。また、犯罪学(犯罪生物学)の一部門と捉えることもできる。
 犯罪心理学という用語は、マスメディアなどでは犯罪精神医学と混同されて、区別なく用いられることが多い。
〇社会心理学
 現在において社会心理学とは「社会における個人の心理学」と見なされている。 ゴードン・オールポートは、社会心理学を「他者が実際に存在したり、創造の中で存在したり、或いは存在することが仄めかされていることによって、個人の思考、感情および行動が、どのような影響をうけるのかを理解し、説明する試みである。」 と定義した。
〇産業心理学
 産業における人的要因の利用と管理を取扱う応用心理学の一部門。
この部門は主として,生産と販売の増大,個人の満足と適応の促進,経営者と勤労者との調和的関係の確立などを目指す。具体的には,適性,訓練,作業環境の改善,疲労と災害の防止,職業指導,職務分析,人事考課,組織形態,消費者行動の調査,広告効果,さらに人間工学的諸問題など広範囲にわたる。
〇交通心理学
  交通心理学(こうつうしんりがく)は、応用心理学の一分野で、交通場面における人間(運転者、歩行者、旅客など)の行動特性を解明し、交通事故や交通トラブルの防止に寄与することを目的とする研究領域である。
〇健康心理学
 
 健康心理学(けんこうしんりがく、英語: health psychology)は、心理学の応用分野、応用心理学の1つである。
 アメリカ合衆国では、1980年に心理学会の一部門として健康心理学会が誕生、日本では、1980年代後半からこの方面の総合的な共同研究の機運が高まってきた。 健康心理学で言う健康は、WHO(世界保健機関)の定義にもあるように多面的であり、精神的なものはもとより、身体的、社会的側面を含むものである。
 主として精神的健康(メンタルヘルス)に焦点を当てる臨床心理学とは、この点において相違があり、むしろ医療行動科学と呼ばれる分野に近い。ストレスやライフスタイル、様々な生活習慣と疾病、生活習慣病や心と体のバランスを含めた幅の広い健康とそれを取り巻く諸問題に、心理学、疫学、生物学、行動科学、看護学、教育学などから学際的にアプローチしていこうとするものである。

 健康心理学で扱うものは、言語的、ならびに非言語コミュニケーション(アイコンタクト、声、身体的接触、ジェスチャーなど)、誤解と偏見の仕組みとその解消、また特に大きなテーマになっているのが、ストレスとそれへの対処(ストレス・コーピング)、ライフサイクルの中での発達上の障害(発達障害)に関するもの、悲哀(グリーフ)とその克服、健康に影響を与えるさまざまな生活習慣、嗜癖、ライフスタイルなどである。 既に国内の医療系大学の中には、講義課目として健康心理学を新設しているところもある。
〇比較文化心理学
 比較文化心理学(ひかくぶんかしんりがく)は、心の基礎的なプロセスは人類に普遍的に備わっているという前提のものに、人の心の基礎的なプロセスが普遍的であることを実証することを目的とするものである。
 比較文化心理学において、異なった反応があっても、それは普遍的心理プロセスが反応する、文化にある刺激布置や社会規範などが異なるからであるという形式をとることが多く、実験パラダイムや測定尺度も文化にかかわらず同じものが使えるという前提をもつ。また、比較文化心理学では、因果関係を重視し、心理の媒介物としての文化を考え、刺激等価性などの研究を行う。
〇コミュニティ心理学
 コミュニティで生活を営む人に心理的な援助を行うための理論・アプローチである。
 1960年代の米国において、地域精神保健活動を母体として誕生した心理学の分野です。米国ボストン近郊で1965年に開催されたボストン会議が、その歴史の幕開けといわれています。ボストン会議で地域保健センターに勤務する全米の心理学者たちが議論の内容には、地域社会のなかで心理学者が果たすべき役割や、そのために必要な訓練や教育のあり方があります。
 コミュニティ心理学の誕生の背景には、伝統的心理療法の意義に対する心理専門家自身の疑問があります。つまり、従来の相談室で来談者を待ち、対話を通じて心理的な手助けを行うアプローチの問題点あると考えたのです。
 
 その例としては、「良くなるのは相談室の中だけであって、地域に戻ったら再発するのではないか?」
「来談しない人々にアプローチする術がない」が挙げられます。
 その後、コミュニティ心理学は主な実践領域を地域保健の領域から、社会の中で生じる心理的社会的問題の諸領域に拡大しました。
 日本では、1969年、日本心理学会で「コミュニティ心理学の諸問題」というシンポジウムが行われました。また、1998年には「コミュニティ心理学会」が設立されました。
 コミュニティ心理学の理論的基盤をもつ「臨床心理学的地域援助」は、日本臨床心理士認定協会が、臨床心理士の実践活動として定める三本柱の一つとして定められています。
 コミュニティ心理学が行うことの一例には
・」心の問題の発生予防
・心の支援
・社会的能力の向上
・生活環境の整備
・心に関する情報の提供
 などがあげられます。
〇家族心理学
 家族心理学(かぞくしんりがく)とは、家族関係を研究対象とする心理学である。三世代・四世代同居の拡大家族から夫婦と子の核家族への変化に伴う、現代家族の直面する問題に焦点を合わせる。
 例えば、子供の養育と巣立ちの問題、不登校、少年非行と思春期の子供の家庭内暴力、中年夫婦の心理的な家庭内離婚、離婚と子の監護などの問題が挙げられる。
 地縁や社縁などによる援助システムの減退から、家族の孤立化が進んでいる。 非行少年や不登校の児童・生徒あるいは神経症青年への援助に、本人への心理療法より、家族への治療的介入が効果的であるとの見地から、1980年代に発展した心理学の中でも比較的新しい分野である。
 現代家族が直面する危機の克服を目指し、子供や配偶者の問題行動や心理面の症状、親子・夫婦の不和への心理的援助法の理論、そして家族の健全的な発達の方法の理論の研究が主要な課題である。
〇スポーツ心理学
 スポーツ心理学は、スポーツに関する諸問題を心理学的に解明し、スポーツの実践や指導にあたって役にたつ知見や技術を提供しようとする科学である。スポーツ心理学では、運動競技だけに限らず、広い意味でのスポーツについて研究を行っている。その関連領域としては産業心理学や体育心理学があるが、前者は身体運動を労働としてとらえており、後者は教育の手段としてとらえている点で、スポーツ心理学とは研究の立場を異にしている。

-心理学の歴史- 

-心理学の起源-
 心理学の起源は古代ギリシアの時代に遡ることができ、また、古代エジプトに心理学的な思索活動の証拠が残されています。

-近代の心理学-
 近代の心理学が哲学から独立して一つの学問として成立したのは、1879年にドイツの心理学者ヴィルヘルム・ヴントがライプツィヒ大学に心理学実験室を開き、アメリカ合衆国でも心理学の研究が始まった1870年代という見解が一般的です。心理学が境を接する様々な領域として、生理学、神経科学、人工知能、社会学、人類学、さらに哲学やその他の人間的活動があります。
 ヴントは自身を心理学者と呼び心理学の教科書(『生理学的心理学綱要』)を出版した初の人物でもあります。他に初期の心理学に貢献した人物としては、ヘルマン・エビングハウス(記憶の研究の草分け)、ウィリアム・ジェームズ(アメリカのプラグマティズムの父)、イヴァン・パブロフ(古典的条件づけに関する過程を研究した)などがいます。
 実験心理学が発展したすぐ後に、様々な種類の応用心理学が現れました。ウィーンでは、ジークムント・フロイトが、精神分析と呼ばれる、心に対する独立した研究法を発達させ、これが非常に大きな影響を及ぼすことになります。
 20世紀にはヴントの経験主義に対するエドワード・ティチェナーの批判への反動が起こり、この反動の影響で形成されたジョン・ブローダス・ワトソンの行動主義はバラス・フレデリック・スキナーによって広められました。
 行動主義は心理学の研究対象を、定量的に容易に測定できる明らかな行動のみに限定することを提案しました。行動主義者は、「心」の知識は科学的に得るには形而上学的すぎると考えたのです。
 20世紀最後の10年には行動主義の衰退と認知科学―人間の心の研究に対する学際的アプローチ―の興隆が起こりました。認知科学は「心」を再び研究の主題とみなし、進化心理学・言語学・計算機科学・哲学・行動主義・神経生物学といった道具を用います。このタイプの研究によって、人間精神の広範な理解は可能であり、そうした理解が人工知能のような他の研究領域に応用できると提議されました

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